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私のホームページとブログタイトルの由来 [書籍]

このブログタイトルはsecret of annexe2,そして私のホームページタイトルはThe Way through the Woodsです。このタイトルの由来がわかる人は推理小説がかなり好きな人に間違いありません。実は下の二冊が元ネタです。

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風の影 これはまぎれもなく [書籍]

風の影〈上〉

風の影〈上〉

  • 作者: カルロス・ルイス サフォン
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2006/07
  • メディア: 文庫


風の影〈下〉

風の影〈下〉

  • 作者: カルロス・ルイス サフォン
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2006/07
  • メディア: 文庫

まだ上巻の半分しか読んでいないのですが断言しましょう。これは傑作に間違いない。プロローグが実に素晴らしい。文体に香りがあるし,引用してみたいセリフも多くある。話の筋が非常に入り組んでいるにもかかわらず,それに惑わされることもなく読んでいるときに独特のドライブ感もある。文句なく小説の王道をいっているような作品。推理小説なんて,翻訳小説なんていっているかた,読まないと損しますよ。


ふくよかさんがゆく [書籍]

ふくよかさんがゆく

ふくよかさんがゆく

  • 作者: 粟辻 早重
  • 出版社/メーカー: リトルモア
  • 発売日: 2006/10/27
  • メディア: 大型本

粟辻さんの本がアマゾンでも購入できます。


U.S.A.ナショナルパークハイキング案内 [書籍]

U.S.A.ナショナルパークハイキング案内

U.S.A.ナショナルパークハイキング案内

  • 作者: 清水 健
  • 出版社/メーカー: 山と溪谷社
  • 発売日: 2003/06
  • メディア: 単行本

今日の朝のTV番組でヨセミテ国立公園がでていたのをみていて,中学校時代の級友である清水健の本を思い出した。彼は日本版ナショナルジオグラフィックにも連載をもっていたから,このブログを見ている人の幾人かは彼の写真に眼を触れているかもしれない。


蓮花―鈴木薫写真集 [書籍]

蓮花―鈴木薫写真集

蓮花―鈴木薫写真集

  • 作者: 鈴木 薫
  • 出版社/メーカー: ラトルズ
  • 発売日: 2005/06
  • メディア: 単行本


白洲正子の「かくれ里」を行く―楓大介写真集 [書籍]

白洲正子の「かくれ里」を行く―楓大介写真集

白洲正子の「かくれ里」を行く―楓大介写真集

  • 作者: 楓 大介
  • 出版社/メーカー: ラトルズ
  • 発売日: 2006/10
  • メディア: 単行本

 写真に添えられたほんの数行の文章が,写真の美しさと相まって,日本の歴史に誘ってくれる。歴史に誘われるのは自分にとっては素敵な瞬間で,なんともいえない幸せな気持ちになる。そして辞典や辞書,小説等々色々見聞きしていく。そういうときが自分にとっては何事にも代え難い時間の過ごし方になっている。

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辻惟雄,奇想の図譜,ちくま学芸文庫 [書籍]

奇想の図譜

奇想の図譜

  • 作者: 辻 惟雄
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2005/04
  • メディア: 文庫

先日いったプライスコレクション(写真は京都での展覧会のもの)。宣伝がうまかったせいもあって大混雑していた。また,解説も学芸員と上野動物園の飼育員がコンビで解説を行うといったちょっとしゃれたことをやっていて,ディズニーランド化しないで人を集めるということに成功していたのではと思う。
 このプライスコレクションの中で大きく取り上げられていたのは若冲(ATOKよ,にすいもだしてくれよな)。確かに面白いことは面白いけれど,画力は丸山応挙とかに比べると落ちるんじゃないかと思っていた。そんなことを思っていたときに手にとったのが『奇想の図譜』。去年文庫化されていたのだけれど,すっかり忘れていたのだった。すると若冲のことが書かれているではありませんか。

P138
若冲は,初め狩野派から学んだというが,それは素人の手習い程度だったとしか思えない。かれの技法の基礎は明・清花鳥画の独習によってつくられ,それは本質的に自己流のものであった。もっとも若冲の場合,それは本格的な自己流であり本格的な素人絵なのである。

ちょっと安心した。


Judy Bridgewater [書籍]

わたしを離さないで

わたしを離さないで

  • 作者: カズオ イシグロ
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2006/04/22
  • メディア: 単行本

カズオ・イシグロ著,土屋政雄訳,『わたしを離さないで』,早川文庫,2006年 P155まで読了。
村上春樹が村上朝日堂で46.推薦したい本でとりあげていたカズオ・イシグロの本をようやく読み始める。今のところP155まで読み終わったがこれが滅法怖い。
 ところでこの小説の題になっているNever Let Me Goは、新潟新報7月1日に掲載されたカズオ・イシグロへのインタビュー「記憶」を通し生と死描く」によれば,ジャズの曲名に由来するそうで、イシグロ氏が来日中、村上春樹からこの曲を収録したCDを贈られたとのこと。ただ私自身この記事を読んだことがないし,当然村上春樹の小説に出てくるデレク・ハートフィールドのこともあるから,この辺は話半分にきいていたほうがいいだろう。

追加
表紙はキャシーの聴いていたテープ。曲の中身はSongs After Dark by Judy Bridgewaterかな。


僕はマゼランと旅した [書籍]

僕はマゼランと旅した

僕はマゼランと旅した

  • 作者: スチュアート・ダイベック
  • 出版社/メーカー: 白水社
  • 発売日: 2006/02/28
  • メディア: 単行本

何度もくり返された,昼食以外には本当に何も起こらなかった日々の昼食。にもかかわらず,子供たちが学校のなかに消えていって通りを鳩と影に明け渡すのを眺め,やがてその通りもふたたびがらんと静かになったあと,窓に座ってビールを飲み干し,午後がまだまるごと目の前に広がっていたあのときほど,自分が自由だと思ったときを僕は思い出せない。そして,あのときほどの自分が独りだと思ったときも。

最近泣き虫です。


柴田元幸にはまる [書籍]

翻訳教室

翻訳教室

  • 作者: 柴田 元幸
  • 出版社/メーカー: 新書館
  • 発売日: 2006/02
  • メディア: 単行本


 2004年に東京大学文学で行われた授業録を文字化した書籍。翻訳の授業というのはどういうものなのだろうと前から興味は持っていたが,ようやくその一端に触れることができた。授業の進め方は実にシンプル。
1.柴田が学生に課題を提出
2.学生が課題を訳し次回授業に提出。
3.柴田とTAが訳された課題を添削。
5.授業時,OHCにいくつかの学生訳を映し,柴田が赤入れ。
前々から課題の添削は重要だと思っていたので,この授業方法にはとても感心した。逆にこういう授業は学生の授業への関わり方次第でしぼんでしまうものでもある。赤入れしたところで何も反応が返ってこないこともよくあることなのだ。だから柴田の「名教師だのダメ教師だのというが,授業を活かすも殺すもまずは学生次第なのだ」という言葉にはおおいにうなづけるところではある。
 この本については鴻巣友季子が文芸3点(朝日新聞2006年4月17日)でとりあげていて,翻訳の仕事は「偉大なる些事」を愛せる人にしかむかないと述べていて,実際読んでみると,「あなた」と訳すか「君」と訳すかという”些事”というにはちょっと大きすぎることから,句読点の位置にいたるところまで,微に入り細に入り,学生の訳に赤が入れられていく様子が明らかになっていて合点がいく。
 ところでこの本は柴田の元学生であるM君に捧げられている。このM君との関係について文藝春秋のPR誌である『本の話』2006年3月号に,柴田が「タバコ休けい中」というエッセイを書いている。こちらも読まれていない方は是非読んでいただきたい。


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