読み解けるかは自分次第 [書籍]
こういう本を出すのはいかん!
私には非常に役に立つ本だけれども、こういうのはいかん。
年表を作りながら読む [書籍]
個人的にはちょっとしか書かれていなかったけれど、日清戦争と沖縄の項が面白かった。黒党(中国の朝貢国としての琉球王国を守ろうとするグループ)が尚泰と清の戦勝を祈願していたり、逆に日本政府に協力するグループがあったり。
この辺の沖縄の分裂した意識は、日清戦争に日本が勝利し、講和条約によって台湾が日本領となり、日清間の琉球領有紛争が最終的に決着すると、落ち着いていくと筆者は述べているが、、、。
未だにこの辺の話は、ときどきちらっと顔を見せる感じがします。長州が京都でやったことと、現政権とを絡めて話す人も少なくないわけで、琉球の話だって当然落ち着くわけないと思ってます。
100年ちょっとなんて最近の話ですからね。
マカリーポン [書籍]
私が撮影した荒井良の張り子「リリス」が、単行本の表紙を飾ることになりました。岩井志麻子の新作『マカリーポン』。4月26日に河出書房新社から発売されます。
アマチュアカメラマンとしていくつか目標がありました。そのひとつが、単行本の表紙に自分の写真が使われ、丸善や紀伊國屋書店の新作コーナーに平積みされているところをみて、ぬふふとほくそ笑み、「実はこれ、俺が撮影したんだ」と周りの客に心の中で声をかける、でありました。これがまず実現しそうです。
アマチュアの写真を採用してくださった河出書房新社の担当者様と岩井先生に感謝です。
そして荒井良先生、この素敵な作品の所有者様、花影抄のスタッフに感謝。
最後に、これを撮影するにあたって資材面で強力にバックアップしてくれている大学からの友人に本当に感謝。
今年のベストか? リチャード パワーズ われらが歌う時 [書籍]
目からうろこ [書籍]
久しぶりに小説を読む サラ・ウォーターズ [書籍]
電車で本を読む。たいていは新書か文庫のどちらか。分厚い本を持ち出すことはほとんどない。8月はずっと岩波新書の日本近現代史のシリーズを読んでいて、そろそろ小説をと思ってとりだしたのがサラ・ウォーターズの夜愁。話題になっていた本だけれど、ようやく読む気になった。
上巻はなんでこれがこんなに話題になるのだろうというくらい退屈だったのだけれど、下巻はグイグイと読み手を引き込む。特に下巻の残り半分はすごいドライブ感。あっという間。久しぶりにいい小説を読んだ。
ヴォルテールは14回 もしくは 私は1回 [書籍]
『アルフ・ライラ・ワ・ライラ』をヴォルテールは14回も読んだそうだ。私は岩波文庫から出ているマルドリュス版を高校3年の時に全巻読んだがそのとき1回限りだ。マルドリュス版以外にもちくまから出ているバートン版や本命の東洋文庫の全巻読破にチャレンジしようと思いつつも、まだ覚悟ができていない。
A THOUSAND NIGHTS AND A NIGHT(1-RED night)
- アーティスト: キップ・ハンラハン
- 出版社/メーカー: american clave
- 発売日: 1998/06/21
- メディア: CD
A THOUSAND NIGHTS AND A NIGHT(SHAOW NIGHT)
- アーティスト: キップ・ハンラハン
- 出版社/メーカー: american clave
- 発売日: 1999/03/25
- メディア: CD
村上春樹の傷 [書籍]
資料の整理をしていたらこんなメモ書きがでてきた。
ダンス・ダンス・ダンス(上)
「そういうのって慢性化するってことなんだ。日常に飲み込まれて、どれが傷なのかわからなくなっちゃうんだ。でもそれはそこにある。傷というのはそういうものなんだ。これといって取り出してみせることのできるものじゃないし、見せることのできるものは、そんなの大した傷じゃない」
心臓を貫かれて、マイケル・ギルモア著村上春樹訳
訳者あとがき
この本をひとつのテキストとして、「ある種の精神の傷は、一定のポイントを越えてしまえば、人間にとって治癒不能なものになる。それはもはや傷として完結するしかないのだ」ということを、僕は理解できたような気がする。頭によってではなく、皮膚によって。理論としてではなく、ひとつの深いリアルな実感として。
このメモをとっていた時、俺は何を考えていたのだろう。
黄色の繭 [書籍]
今朝の朝日新聞によると、国立感染症研究所と農業生物資源研究所などのグループは昔の蚕が作ったとみられる黄色の繭を作らせることに成功したとのこと。
黄色の繭というと、飯島和一の『黄金旅風』だ。
あいつが手にしたのは、考えてみればこの黄金の繭だけだった。あの折、俺は二つしかやらなかった。それが悔やまれて、才介が死んでからもう一つ置いてきた。あいつは象牙細工の飾り箱に桐の小箱を収めて、真綿まで敷いて、昔くれてやった二つの繭玉を大切に収め入れていた。・・・・いつか才介と二人で船を仕立て、東京(トンキン)から黄金の繭を山と積んで帰ってくることを夢見た・・・・。
この文だけ取り出してもどうもだめだな。最初から読むと、、、涙がとまらない。
京都の平熱、私の微熱 [書籍]
これを京都本の中に括っていいのなら、今まで私が読んだなかでは断トツに面白い本です。
まず題名がいいです。これだけでやられたーって感じになる。そして何より京都がラーメン王国であるところから話が展開していくのが素晴らしい。もうここで作者のことは全面的に信用していいという気持ちになります。まあ鷲田清一の書物は面白いですからね。安心して買っていいのですけれど、出だしで京都のラーメンですから、それは、
ああ、わかっているな (なんて失礼!)
とつぶやくしかないのであります。
さらに、百万遍の喫茶店の話からはじまって、ボードレールの引用で終わるところなんかは、なんか妙に胸がつまってしまって。
京都となると、ちょっと体が微熱っぽくなるwisteriaでした。