SSブログ

読み解けるかは自分次第 [書籍]

大学、大学院のゼミの先輩で、大変お世話になり(本人は何の自覚もないと思うけれど)、かつ自分が知っている人間で、断トツの化け物である片山さんだが、
こういう本を出すのはいかん!
私には非常に役に立つ本だけれども、こういうのはいかん。


nice!(0)  コメント(0) 

年表を作りながら読む [書籍]

ようやく読了。開戦の時に2回も議会が解散したりしていて、年表つくりながら読みながら読まないと、全く何がなんだかわからない。こういうのを線を引いて書き込みするだけで読める連中を本当にうらやましく思う。
個人的にはちょっとしか書かれていなかったけれど、日清戦争と沖縄の項が面白かった。黒党(中国の朝貢国としての琉球王国を守ろうとするグループ)が尚泰と清の戦勝を祈願していたり、逆に日本政府に協力するグループがあったり。
この辺の沖縄の分裂した意識は、日清戦争に日本が勝利し、講和条約によって台湾が日本領となり、日清間の琉球領有紛争が最終的に決着すると、落ち着いていくと筆者は述べているが、、、。
未だにこの辺の話は、ときどきちらっと顔を見せる感じがします。長州が京都でやったことと、現政権とを絡めて話す人も少なくないわけで、琉球の話だって当然落ち着くわけないと思ってます。
100年ちょっとなんて最近の話ですからね。

nice!(0)  コメント(0) 

マカリーポン [書籍]

Amazonに掲載されたので情報を解禁します。
私が撮影した荒井良の張り子「リリス」が、単行本の表紙を飾ることになりました。岩井志麻子の新作『マカリーポン』。4月26日に河出書房新社から発売されます。

アマチュアカメラマンとしていくつか目標がありました。そのひとつが、単行本の表紙に自分の写真が使われ、丸善や紀伊國屋書店の新作コーナーに平積みされているところをみて、ぬふふとほくそ笑み、「実はこれ、俺が撮影したんだ」と周りの客に心の中で声をかける、でありました。これがまず実現しそうです。

アマチュアの写真を採用してくださった河出書房新社の担当者様と岩井先生に感謝です。

そして荒井良先生、この素敵な作品の所有者様、花影抄のスタッフに感謝。

最後に、これを撮影するにあたって資材面で強力にバックアップしてくれている大学からの友人に本当に感謝。
マカリーポン

マカリーポン

  • 作者: 岩井 志麻子
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2012/04/17
  • メディア: 単行本

今年のベストか? リチャード パワーズ われらが歌う時 [書籍]

『舞踏会へ向かう三人の農夫』や『ガラテイア2.2』もとても面白かった。が、しかし、この『われらが歌うとき』がパワーズの今のところベストではなかろうか。こういうの読んでしまうと、他の小説がつまらなくなってしまって大変。もう、文句なし。特にクラシック音楽好きの人は楽しめると思う。もちろん、そうではなくてもだけれど。素晴らしい文章です。まだパワーズ中毒になってない人はこれから入ってもいいかもしれない。上下刊で量はすごい多いけれど、そして、あっという間に読み終えることができるわけではないけれど(パワーズをアッという間に読むなんて考えられない!)、これが一番読みやすいはず。


われらが歌う時 上

われらが歌う時 上

  • 作者: リチャード・パワーズ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2008/07/30
  • メディア: 単行本



われらが歌う時 下

われらが歌う時 下

  • 作者: リチャード・パワーズ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2008/07/30
  • メディア: 単行本


囚人のジレンマ

囚人のジレンマ

  • 作者: リチャード パワーズ
  • 出版社/メーカー: みすず書房
  • 発売日: 2007/05/24
  • メディア: 単行本




ガラテイア2.2

ガラテイア2.2

  • 作者: リチャード パワーズ
  • 出版社/メーカー: みすず書房
  • 発売日: 2001/12
  • メディア: 単行本



舞踏会へ向かう三人の農夫

舞踏会へ向かう三人の農夫

  • 作者: リチャード パワーズ
  • 出版社/メーカー: みすず書房
  • 発売日: 2000/04
  • メディア: 単行本



目からうろこ [書籍]

こういう分野の学問はいいねえ。あ、そうなのかとか、漠然としていたことがピシってわかる感じが素晴らしい。これを女性だけに紹介するのはもったいない。個人的には、30代の独身男性にこそ必要な本じゃないかなと思う。

「分とく山」野崎洋光の料理学

「分とく山」野崎洋光の料理学

  • 作者: 野崎 洋光
  • 出版社/メーカー: 文化出版局
  • 発売日: 2007/09
  • メディア: 単行本


久しぶりに小説を読む サラ・ウォーターズ [書籍]

電車で本を読む。たいていは新書か文庫のどちらか。分厚い本を持ち出すことはほとんどない。8月はずっと岩波新書の日本近現代史のシリーズを読んでいて、そろそろ小説をと思ってとりだしたのがサラ・ウォーターズの夜愁。話題になっていた本だけれど、ようやく読む気になった。
上巻はなんでこれがこんなに話題になるのだろうというくらい退屈だったのだけれど、下巻はグイグイと読み手を引き込む。特に下巻の残り半分はすごいドライブ感。あっという間。久しぶりにいい小説を読んだ。

夜愁 上 (1)

夜愁 上 (1)

  • 作者: サラ・ウォーターズ
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2007/05
  • メディア: 文庫


夜愁 (下)

夜愁 (下)

  • 作者: サラ・ウォーターズ, 中村 有希
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2007/05
  • メディア: 文庫


ヴォルテールは14回 もしくは 私は1回 [書籍]

 『アルフ・ライラ・ワ・ライラ』をヴォルテールは14回も読んだそうだ。私は岩波文庫から出ているマルドリュス版を高校3年の時に全巻読んだがそのとき1回限りだ。マルドリュス版以外にもちくまから出ているバートン版や本命の東洋文庫の全巻読破にチャレンジしようと思いつつも、まだ覚悟ができていない。

アラビアンナイト―文明のはざまに生まれた物語

アラビアンナイト―文明のはざまに生まれた物語

  • 作者: 西尾 哲夫
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2007/04
  • メディア: 新書


図説 アラビアンナイト

図説 アラビアンナイト

  • 作者: 西尾 哲夫
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2004/05/07
  • メディア: 単行本

A THOUSAND NIGHTS AND A NIGHT(1-RED night)

A THOUSAND NIGHTS AND A NIGHT(1-RED night)

  • アーティスト: キップ・ハンラハン
  • 出版社/メーカー: american clave
  • 発売日: 1998/06/21
  • メディア: CD

A THOUSAND NIGHTS AND A NIGHT(SHAOW NIGHT)

A THOUSAND NIGHTS AND A NIGHT(SHAOW NIGHT)

  • アーティスト: キップ・ハンラハン
  • 出版社/メーカー: american clave
  • 発売日: 1999/03/25
  • メディア: CD


村上春樹の傷 [書籍]

資料の整理をしていたらこんなメモ書きがでてきた。

ダンス・ダンス・ダンス(上)
「そういうのって慢性化するってことなんだ。日常に飲み込まれて、どれが傷なのかわからなくなっちゃうんだ。でもそれはそこにある。傷というのはそういうものなんだ。これといって取り出してみせることのできるものじゃないし、見せることのできるものは、そんなの大した傷じゃない」

心臓を貫かれて、マイケル・ギルモア著村上春樹訳
訳者あとがき
この本をひとつのテキストとして、「ある種の精神の傷は、一定のポイントを越えてしまえば、人間にとって治癒不能なものになる。それはもはや傷として完結するしかないのだ」ということを、僕は理解できたような気がする。頭によってではなく、皮膚によって。理論としてではなく、ひとつの深いリアルな実感として。

このメモをとっていた時、俺は何を考えていたのだろう。

ダンス・ダンス・ダンス〈上〉

ダンス・ダンス・ダンス〈上〉

  • 作者: 村上 春樹
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2004/10
  • メディア: 文庫

心臓を貫かれて

心臓を貫かれて

  • 作者: マイケル ギルモア
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 1996/10
  • メディア: 単行本


黄色の繭 [書籍]

今朝の朝日新聞によると、国立感染症研究所と農業生物資源研究所などのグループは昔の蚕が作ったとみられる黄色の繭を作らせることに成功したとのこと。
黄色の繭というと、飯島和一の『黄金旅風』だ。

あいつが手にしたのは、考えてみればこの黄金の繭だけだった。あの折、俺は二つしかやらなかった。それが悔やまれて、才介が死んでからもう一つ置いてきた。あいつは象牙細工の飾り箱に桐の小箱を収めて、真綿まで敷いて、昔くれてやった二つの繭玉を大切に収め入れていた。・・・・いつか才介と二人で船を仕立て、東京(トンキン)から黄金の繭を山と積んで帰ってくることを夢見た・・・・。

この文だけ取り出してもどうもだめだな。最初から読むと、、、涙がとまらない。

黄金旅風

黄金旅風

  • 作者: 飯嶋 和一
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2004/03
  • メディア: 単行本


京都の平熱、私の微熱 [書籍]

京都の平熱  哲学者の都市案内

京都の平熱 哲学者の都市案内

  • 作者: 鷲田 清一
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2007/03/21
  • メディア: 単行本


これを京都本の中に括っていいのなら、今まで私が読んだなかでは断トツに面白い本です。
まず題名がいいです。これだけでやられたーって感じになる。そして何より京都がラーメン王国であるところから話が展開していくのが素晴らしい。もうここで作者のことは全面的に信用していいという気持ちになります。まあ鷲田清一の書物は面白いですからね。安心して買っていいのですけれど、出だしで京都のラーメンですから、それは、

ああ、わかっているな (なんて失礼!)

とつぶやくしかないのであります。
さらに、百万遍の喫茶店の話からはじまって、ボードレールの引用で終わるところなんかは、なんか妙に胸がつまってしまって。

京都となると、ちょっと体が微熱っぽくなるwisteriaでした。


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。